大学院進学

大学院生もインターンに参加すべき!メリットや選び方・探し方を解説

インターンシップは、進路として考えている業界への理解を深め、社会に出る前に実務を経験できる貴重な機会です。大学生だけでなく、多くの大学院生がインターンシップに参加します。大学院生は研究活動で忙しいイメージがあり、研究活動と両立できるか不安な方や、大学生のうちに参加しておくべきか迷っている方もいるでしょう。

しかし、インターンシップに参加すると、専門分野の実務経験を積めたり、効率的に就職活動を進められたりします。そのため、研究者志望ではなく、民間企業等に就職を希望する大学院生は、インターンシップに参加すべきです。

この記事では、大学院生がインターンシップに参加するメリットやインターンシップの選び方・探し方、注意点などを解説します。大学院進学後のインターンシップの事情について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

インターンシップの種類

インターンシップとは、大学生や大学院生などの学生が興味のある企業を訪問したり実際に働いたりする、職業体験のことです。社会に出る前に実務を経験し、企業への理解を深められます。インターンシップには、短期インターンシップと長期インターシップがあります。

短期インターンシップ

短期インターンシップは、1日や3日間など、短期で行われます。

1日で開催されるインターンシップは1dayインターンシップとも呼ばれ、企業の説明会や座談会、簡単なグループワークなどのプログラムを通して、企業や業界について簡単に知ることができます。

3日間〜1ヶ月程度の短期間で行われるインターンシップは、まとまった時間を使ってさまざまなプログラムを体験し企業理解を深め、実務を体験できます。

1週間~1ヶ月程度の短期インターンシップは大学院の長期休みに開催されることが多く、就職活動の一環として参加する学生が多いという特徴があります。また、短期インターンシップの募集が始まるのは6月頃であるため、夏前にエントリー・選考を進める必要があります。

長期インターンシップ

長期インターンシップは、数ヶ月〜1年以上の長期にわたって行われます。ベンチャー企業が実施している場合が多く、社員の1人として実務に携わります。現場で実務経験を積めるため、専門性やスキルを身につけられます。給与が支払われる場合も多いです。就職後に即戦力となることを目指す方におすすめです。

長期インターンシップの場合、短期インターンシップとは異なり、随時募集しています。人気のインターンシップは応募がすぐに締め切られる場合もあるため、参加したいと思った段階ですぐに行動に移すことが大切です。

大学院生がインターンシップに参加する時期の目安は、修士(博士前期)課程1年の夏です。大学院生の場合、修士1年は学部3年、修士2年は学部4年と同じように就活を進めることが多いです。

大学院生がインターンシップに参加するメリット

大学院生のインターンシップへの参加には、次のようなメリットがあります。

  • 専門分野の実務経験を積める
  • 研究に役立つデータを得られる
  • 業界に対する理解を深められる
  • 就職活動をスムーズに進めやすい

ここでは、それぞれのメリットについて解説します。

専門分野の実務経験を積める

自身の専門分野に関連する企業等のインターンシップに参加することにより、専門分野の実務経験を積めます。日頃研究している分野が社会でどのように活かされているかを知ることによって、授業や研究活動と違う側面から専門分野にアプローチでき、専門分野への理解をより深められるでしょう。また、実務経験を通して専門性やスキルを一層向上させられます。

研究に役立つデータを得られる

専門分野に関するインターンシップでは、研究内容をアウトプットする機会が多く存在します。そのため、授業や日頃の研究活動からは得るのが難しい、研究に役立つデータを取得し、より説得力のある論文作成に活かせるのがメリットです。

業界に対する理解を深められる

インターンシップで社員から話を聞いたり実務を経験したりすることによって、業界に対する理解を深められます。本やホームページにはない生の情報に触れることによって、就職後のイメージが明確になり、自身の適性を見極めやすくなります。実体験に基づいて自己分析を行い、就職活動を進められるため、入社後のミスマッチの防止にもつながります。

就職活動をスムーズに進めやすい

インターンシップへの参加によって、就職活動をスムーズに進めやすくなります。特に大学院生(博士前期課程)の就活では、2年の間に、授業・研究活動・修士論文の作成・学会への参加といったアカデミックな活動をしながら、就職活動にも取り組まなければなりません。そのため、学部生よりも効率的に、就職活動を進める必要があります。

短期・長期問わず、「インターンシップに参加した」という事実から、志望企業に対する入社への熱意が伝わりやすくなるでしょう。中には、インターンシップ参加者は本選考の一部を免除する、という措置を実施している企業もあります。

長期インターンシップに参加する場合は、そこでの実務経験をアピールできるほかインターン先で正社員として就職できる可能性もあるなど、就職活動に役立ちます。

大学院生がインターンシップを選ぶポイント

インターンシップを選ぶ際のポイントは次の3つです。

  • 研究活動と両立できるインターンシップを選ぶ
  • 専門分野に関するインターンシップを選ぶ
  • 専門外のインターンシップなら短期がおすすめ

ここでは、それぞれのポイントについて解説します。

研究活動と両立できるインターンシップを選ぶ

インターンシップの選考や参加で忙しく、単位を落としたり研究活動が疎かにならないよう、研究活動と両立できるインターンシップを選びましょう。

短期インターンシップなら、スケジュールを調整しやすいです。また、選考プロセスがオンラインで完結するものや、ES提出だけのものを選べば、授業や研究活動とも両立できるでしょう。

長期インターンシップの場合、曜日や時間の融通が効くものを選ぶことが大切です。授業後や週1〜2回だけ働ける、授業や研究活動に応じて相談すれば休めるなど、勤務条件を考慮して選ぶようにしてください。

専門分野に関するインターンシップを選ぶ

自身の専門分野に関するインターンシップを選ぶことにより、専門分野の実務を経験でき、実践的なスキルが身につきます。

特に理系の大学院生の場合は、技術職や研究職など、理系学生限定のインターンシップへの参加がおすすめです。中には、研究室に推薦枠があり、選考の一部が免除されるインターンシップも存在します。

専門外のインターンシップなら短期が望ましい

自身の専門分野以外の仕事を経験したい場合は、短期インターンシップへの参加が望ましいです。日々の研究活動では専門分野に集中しがちですが、視野を広げることで新たに研究したいことが見つかる可能性があります。効率的に専門分野以外の仕事を体験し、未知の業界に対して理解を深められます。

インターンシップの探し方

大学院生がインターンシップを探す際、次のような選択肢があります。

  • 企業のホームページを確認する
  • 大学のキャリアセンターに相談する
  • 就活サイトを利用する
  • インターンシップ専門サイトを利用する

ここでは、インターンシップの探し方について解説します。

企業のホームページを確認する

志望業界や企業が決まっている場合は、企業のホームページから直接インターンシップ情報を確認するとよいでしょう。インターンシップの選考スケジュールのほか、昨年のインターンシップの様子も確認できることもあります。また、就活サイトに登録せず、自社サイトでのみインターンシップを募集している企業も存在します。

大学のキャリアセンターに相談する

大学にはキャリアセンターが置かれている場合が多く、学部生だけでなく大学院生も利用できます。キャリアセンターでは、大学と連携している企業や自身の専門分野に合致する研究職のインターンシップ情報を入手できます。同じ大学院・専門分野から志望業界に就職した先輩の体験談を聞ける場合もあり、就職活動を進めるうえでも役立つでしょう。

就活サイトを利用する

効率よくインターンシップを探したい場合は、就活サイトの利用がおすすめです。業界や日程ごとに企業を検索でき、自分のニーズにあうインターンシップを簡単に見つけられます。就活サイトに情報を登録すれば、応募が簡単に完了したり、企業からスカウトが来たり、多くのメリットがあります。

インターンシップ専門サイトを利用する

長期インターンシップを探す場合は、インターンシップ専門サイトを利用しましょう。業界・業種やエリア、勤務条件をもとに探せるため、希望に合う長期インターンシップを見つけやすいです。大学院で身につけたい知識やスキルからインターンシップを探せるサイトもあり、ミスマッチが起こりづらいのがメリットです。

大学院生がインターンシップに参加する際の注意点

大学院生がインターンシップに参加する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 研究活動との両立を担保する
  • インターンシップ先の選択は入念に行う
  • 短期インターンシップの場合はスケジュールに注意する

ここでは、インターンシップ参加時の注意点について解説します。

研究活動との両立を担保する

研究活動と両立できるよう、エントリー数を考慮することが大切です。長期インターンシップも同様に、授業や研究活動と両立しながら働けるよう、エントリーする際は勤務条件を必ず確認しましょう。

インターンシップ先の選択は入念に行う

時間には限りがあるため、インターンシップに参加する目的に応じて、適切な期間・企業・業種のインターンシップを選定する必要があります。

自身の専門分野を活かしたい、興味のある業界がすでに決まっているという場合は、同じ業界内で複数のインターンシップに参加してもよいでしょう。その業界の長期インターンシップに参加して、実務経験を積むことも効果的です。

一方、志望業界が決まっていない場合や、専門外の分野も見たいという場合は、学部生のうちからさまざまな業界の短期インターンシップに参加し、効率的に情報収集を行いましょう。

インターンシップによってプログラムは異なるため、自身がインターンシップで得たい情報やスキルなどを考慮して、慎重にインターンシップを選ぶことが大切です。

短期インターンシップの場合はスケジュールに注意する

短期インターンシップに参加する場合は、スケジュールに注意が必要です。多くのインターンシップが、ESや面接などの選考を設けています。選考は平日に行われることが多く、授業や研究活動の合間を縫って選考に臨む必要があります。

また、複数の短期インターンシップに参加しようとしても、開催スケジュールが重なれば参加できません。

インターンシップの選考スケジュールと開催日程を考慮したうえで、応募するインターンシップを選びましょう。

インターンシップに参加して専門分野の理解を深めよう

インターンシップに参加すると、専門分野の実務経験を積むことができたり、さまざまな業界の情報を効率的に収集できたりします。特に専門分野の理解を深められるのは、大学院生にとって大きなメリットです。

インターンシップによって日数やプログラムが異なるため、参加する目的や得たい情報・スキルなどに応じて適切なものを選びましょう。また、授業や研究活動と両立できるよう、スケジュールを管理することも必要です。