大学院進学

他大学の大学院に進学するのは効果的?メリットや入学前にすべきことを解説

他大学 大学院

大学(学部)よりも踏み込んだ研究を行いたい方は、大学院への進学に興味があるかと思います。中には、他大学の大学院に進学を検討している方もいるでしょう。

ですが、いざ他大学の大学院に進学するとなると「どんなメリット・デメリットがあるの?」「事前に何を準備すればいいの?」と疑問に思いますよね。

そこで、今回は他大学の大学院に進学するメリット・デメリット、入学前にすべきことなどを紹介します。

他大学の大学院に進学する3つのメリット

他の大学の大学院へ進学するメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。

  • よりハイレベルな環境で研究できる
  • 人脈・交友関係が広がる
  • 在籍大学の大学院にはない分野を学習・研究できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.よりハイレベルな環境で学習・研究できる

1つ目のメリットは、よりハイレベルな環境で学修や研究に取り組めることです。

自分が学びたい、あるいは、研究したいと考えている分野において、今いる大学よりも充実した環境の大学院へ進学すれば学力水準も上がり、優秀な学生に囲まれ、より高度な議論などもできるようになります。

深く研究したい、さらに高度な知識や能力を身につけたい方には有意義な選択となるでしょう。

2.人脈・交友関係が広がる

2つ目のメリットは、人脈や交友関係が広がることです。大学院では、研究室や授業、学会・研究会など、さまざまな人(研究者)と交流する機会が多くあります。そのため、他大学の大学院に進学すれば、今いる大学では出会えない人とも交流を深めることができます。

3. 在籍大学の大学院にはない分野を学習・研究できる

3つ目のメリットは、在籍している大学の大学院にはない分野を学習・研究できることです。在籍大学の大学院では研究できない分野がある場合でも、他大学の大学院であれば取り組める可能性があります。

他大学の大学院でしか研究できないことがある場合、他大学の大学院に進学するメリットは大きいと言えるでしょう。

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他大学の大学院に進学するデメリット

他大学の大学院に進学することには、メリットだけではなくデメリットもあります。デメリットとしては、次のことが考えられます。

1.見知らぬ環境への適応には時間がかかる場合も

他大学の大学院に進学するということは、初めてのキャンパス、教員、学生のなかで研究をスタートするということを意味します。

内部進学してきた学生は入学後すぐに授業や研究に集中することができても、他大学出身者は環境に慣れるまでに、少なくとも1~2か月は必要でしょう。

授業や研究などのスケジュールに出身大学は関係ありません。入学直後から指導教員による論文指導、多くの授業への参加、課題提出が押し寄せてくるので、精神的にきついかもしれません。

2.内部進学より入試対策に力を入れる必要がある

外部進学をする場合、内部進学に比べて入試対策に力を入れることが求められます。例えば、面接では、初対面の教員との面接となるので、イチから自己紹介や研究計画を説明する必要があります。そのため内部進学に比べてコミュニケーションの難易度が高く、論理的かつ簡潔に話す力が求められます。また、在籍している大学と違う研究科に進む場合、新たに専門知識を身につけなければなりません。

一方、内部進学の場合、教員との関係性が築かれています。教員はあなたの能力や性格、研究への取り組み方をよく知っているため、面接ではより具体的かつ深い内容を伝えることができます。

上記のような他大学出身というハンディをうまく乗り切るには、大学院進学が決まった時点から指導教員に連絡を取り、勉強しておくべき文献などを聞き、事前学修をしっかりとしておきましょう。そのような学修への積極的な姿勢は、入学後の指導教員とのコミュニケーションにもきっと役立つはずです。

他大学の大学院へ進学する前にすべき7つのこと

大学院へ進学する際には様々な準備が必要になりますが、他大学の大学院への進学には、情報収集の面も含め事前準備が重要です。安易に入学してしまうと、失敗する恐れもあります。万全な状態で入学を目指すために、次の7つを事前に準備しておくと安心できます。

1.在籍大学の教員に進路を相談する

他大学の大学院への進学を考える際には、在籍大学の教員に進路について相談することが非常に重要です。

教員は学問の専門家であり、業界の動向や他大学の評判、研究内容に精通していることが多いため、行きたい大学院が自分の研究テーマやキャリアパスに合っているのか、アドバイスをもらえるでしょう。

自分1人で考えるのではなく、教員との対話を通じて、他大学院への進学が自分の将来にどのように貢献するのか、どの大学院が自分の研究目標やキャリアパスに最適かを検討しましょう。

2.大学院説明会に参加する

大学院説明会に参加することにより、自分のイメージとの差異がないか確認できます。説明会では、制度面だけでなく、実際に研究指導をしている教員や現役大学院生から直接話を聞く機会が設けられていることが多いです。また、説明会に参加することで大学院とはどのような場所なのかも明確になるため、大学院進学そのものに悩んでいる方にとっても有意義です。

説明会には大学1〜3年生でも参加できるので、もし少しでも興味を持っていれば、説明会に参加して大学院がどのような場所であるかを把握しておくといいでしょう。

3.希望指導教員に連絡をとる(研究室を訪問する)

大学院での学びは、大学とは違い研究活動がメインです。授業についても、報告・発表や討議が多くなり、単純に講義を受けるといった時間は少なくなります。授業の時間以外では、課題発表の準備や指導教員からの指導、論文執筆のための指導などが多くなるため、指導教員から個別指導を受けることが多くなります。

そのため、出願をする前のできるだけ早い時期から希望の指導教員へ連絡を取り、自分が研究したいテーマに関してその教員に指導してもらえるかや、分野・テーマの不一致がないか確認しておきましょう。

文系でも理系でも、希望の指導教員に接触できるチャンスがあればできる限り逃さないようにすべきです。特に理系の場合は、事前に研究室を訪問して研究テーマについて話し合うケースも少なくありません。

特に以下のことは必ず聞いておくべきといえる内容です。

  • 自身の研究したいテーマについて指導が受けられるか
  • 関連する研究テーマや直近のトピック
  • 学会発表や論文の投稿について
  • ゼミや研究会・定例報告会の実施頻度や形式について

どれも研究を行う上で重要な部分ですから、事前に確認しておきましょう。

希望指導教員・研究室への訪問時期

訪問時期は、教員個人や研究室のホームページがあれば業績欄や所属学会情報をチェックし、教員をはじめ研究室の大学院生やポストドクターが参加している学会の開催時期を確認するといいでしょう。学会前や研究費の申請時期は多忙なことが多く、卒業論文や修士論文の執筆時期である12〜2月上旬は忙しい教員が多いので、外した方がいいかもしれません。

当然ですが、訪問時には事前のアポイントが必要です。メールで指導を希望する教員に連絡を取り、時間を取ってもらえるタイミングに合わせて訪問しましょう。メールでは、自己紹介をしたうえで教員個人あるいは研究室を訪問したいことを伝え、都合のいい日時を確認します。もしも訪問できない場合には、メールのやりとりの中で質問するのがおすすめです。

4.受験形式を決める

大学院では一般入試や特別入試などさまざまな受験形式があります。自分に合った形式を選ぶことで、大学院に合格できる可能性が高まります。大学での成績や専攻する科目、TOEICやTOEFLなどの外国語能力試験スコアによる外国語試験の免除の有無などを考慮し、自分にとって最適な方法を選択しましょう。

5.出願するための必要書類を準備する

大学院に出願するためには、入学願書(志願票)や成績証明書・卒業証明書、研究計画書・志望理由書などの書類が必要です。必要な書類がそろっていなかったり不備があったりすると出願が受け付けられない場合もあるため、余裕を持って準備しましょう。

6.受験勉強をする

研究分野によって変わりますが、大学院へ進学するためには専門科目や英語などの外国語科目の筆答試験に合格しなければなりません。そのため、筆答試験の対策は必須です。特に研究環境の優れた大学院に進学する場合には入試も難しくなるため、早い段階から勉強を進めておきましょう。​​

7.今までの研究を振り返る

面接は研究に対する情熱や専門知識を示す絶好の機会です。自分の研究テーマ、それに取り組んだ背景、得られた成果、そしてそれが今後の大学院での研究にどのようにつながるのかなどを明確に説明することが求められます。そのため、自らの研究内容や今までの取り組みを深く理解し、話せるように準備しておきましょう。

大学院に進学する際、特定の研究分野や教員のもとで学びたいという強い希望を持っている場合、「他大学での研究指導」という選択肢が存在します。今の大学院で研究を進めたいが、どうしても他大学院で受けたい講義がある場合に特におすすめです。

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他大学の大学院への推薦について

一部の大学院は、他大学の学生を対象に推薦入試を実施しています。推薦入試は学生の在学中の成績や活動に基づいて選考し、入学する方式です。

推薦入試を受ける場合、在学中の大学の教員から推薦書を書いてもらうことが一般的です。推薦書は、学生のGPA、研究能力などの評価を記載したもので、選考に大きく関係します。

特にGPAは推薦入試を受けられるかどうかに大きく関わってきます。多くの大学院では、一定のGPAが必要とされ、これに満たないと推薦入試の対象とならない場合があります。

推薦入試では筆答試験は実施せず、面接だけ行うことが多いです。面接では今までの研究過程や、研究計画、コミュニケーション能力などが評価されるため、十分な準備が必要です。

まとめ:他大学の大学院へ入学する際は事前の準備が大切!

他大学の大学院への進学は、受験の手続きに手間がかかりますが、より充実した環境で研究・学習できたり、人脈や交友関係が広がったり、人生に大きな影響を与えるなど非常に大きなメリットがあります。

他大学の大学院へ入学するのであれば、受験する大学の在学生よりも希望の指導教員への連絡がとりづらい場合がある上、出願書類の用意などさまざまな準備が必要です。他大学の大学院への進学を検討しているのであれば、できる限り早い段階から準備に取りかかりましょう。