大学院進学

大学院出願時にメールを送るべき?メールのマナーと文面例

大学院への進学を検討している方の中には、他大学の大学院入試への出願を考えている方や、同じ大学でも学部時代とは異なる教員からの指導を希望している方も多いと思います。その際は、出願前に指導希望教員にメールを送ることが望ましいです。

また、学部のゼミの指導教員と同じ教員に大学院での指導を希望する場合でも、事前に進学の相談はしておいた方がよいでしょう。

しかし、メールの書き方や注意点など、分からない方も多いのではないでしょうか。この記事では、メールを送るシチュエーションや時期、メールの書き方のポイントを紹介しています。さらに、文面例も3パターン紹介しているので、メールを送る際にぜひ役立ててみてください。

大学院出願前にメールを送るシチュエーション

大学院出願においては、以下のシチュエーションでメールを送ることが多いです。

  • 指導希望の挨拶・研究希望テーマでの指導の可否の確認
  • 教員訪問(研究室訪問)のアポイント取得
  • 教員から受け取ったメールへの返信

以下では、挨拶・指導可否の確認とアポイント取得時に送るメールについて、詳しく説明します。

指導希望教員への受験前の挨拶と研究テーマの確認

ほとんどの場合、大学院出願時には指導希望教員を決めておく必要があります。特に、他大学の大学院に進学する場合や、同じ大学の大学院でも学部時代とは違う教員からの指導を希望する場合は、指導希望教員にメールを送ることが望ましいです。挨拶を兼ねて、自身の希望する研究テーマについて指導が可能かどうか、教員に問い合わせましょう。

指導希望のメールでは、教員に自分の希望する研究テーマや志望理由とともに熱意を伝えることが重要です。事前の確認・相談が必須ではない場合もありますが、入学後に自分の研究内容と研究室の指導内容にミスマッチが生じる可能性もあります。事前に挨拶を兼ねて確認・相談しておくことが大切です。

教員訪問(研究室訪問)にメールでアポイントを取る

教員訪問(研究室訪問)は、研究内容や指導教員との相性を確認することができる貴重な機会です。そのため、直接訪問・面会の機会をお願いすることが望ましいです。いきなり訪問することは失礼にあたるため、訪問の前に必ずメールでアポイントを取りましょう。

メールはいつ送るべきか

前述の通り、メールを送るシチュエーションとしては、指導希望の挨拶・研究希望テーマでの指導の可否の確認、教員訪問(研究室訪問)のアポイント、教員から受け取ったメールへの返信が挙げられます。

大学院入試の出願の2〜3ヶ月前には研究希望テーマでの指導の可否の確認、あるいは教員訪問(研究室訪問)を済ませておくのが望ましいです。そのため、挨拶やアポイントをとる最初のメールは入試の3〜4ヶ月前までを目途に送りましょう。

大学の教員は、授業や研究指導、自身の研究、その他大学の業務で多忙であることが多いです。アポイントのメールを、訪問したい時期や入試の直前に送るのは失礼にあたり、日程調整ができない可能性も出てきます。そのため、訪問したい時期の1ヶ月ほど前にメールを送り、余裕をもって問い合わせることが大切です。

また、教員から受け取ったメールについてはこまめに確認し、なるべく早く返信するよう心がけましょう。

大学院出願前に送るメールの書き方

ここでは、メールに書くべき内容について、項目ごとにポイントを紹介します。教員へのメールを書く際には、一般的なメールのマナーを押さえることが大切です。これまで友人とのメールやSNSを介した連絡しかしたことのない方は、特に注意しましょう。

件名

件名は必ずつけましょう。教員の元には毎日いろいろなメールが届きます。件名を見ただけで内容がわかるよう、本文の内容が簡潔に伝わるような件名を記してください。

宛名

本文の前に必ず宛名をつけるのがマナーです。希望する指導教員の所属大学院、研究科、専攻(コース、研究室)、教員のフルネーム、肩書きを記載します。

(例)
中央大学大学院 経済学研究科 経済学専攻 教授 ○○ ○○先生

なお、肩書きには「教授」「准教授」などがあるため、事前に調べて正しく記載しましょう。

本文

本文を書く際は、用件が伝わるよう「結論ファースト」を心がけましょう。本文が長すぎると読みづらくなり、短すぎても熱意が伝わりにくくなってしまいます。要点をまとめ、わかりやすい文面になるよう工夫しましょう。

自己紹介

本文では、まず自己紹介として、自分の所属や立場(大学院進学を検討している等)を伝えましょう。知らない人からのメールは最後まで読んでもらえず、返信してもらえない可能性があるためです。

現在在籍している(あるいは卒業した)大学名と学部、氏名、研究内容(専攻分野)を記載した後、大学院への進学を希望している旨を伝えましょう。

用件

「私の希望する研究テーマで指導していただくことが可能か伺いたい」「教員(研究室)訪問をさせていただきたい」など、用件を結論ファーストで伝えましょう。また、「〇〇先生の紹介」「HPを拝見して」のように、メールを送った経緯も説明することが望ましいです。

志望理由

なぜその指導教員(研究室)を希望するのかが分かるよう、志望理由を記載します。志望理由を十分に記載することで、熱意を伝えることができます。現在の研究内容や将来研究したい内容について説明し、その指導教員(研究室)を希望する理由を明確に記載しましょう。

教員訪問(研究室訪問)の希望日程

教員訪問(研究室訪問)のためアポイントの依頼なら、都合の良い日程を伺いましょう。こちらから特定の日を挙げることは望ましくありません。「5月の間」のように長めの期間を伝え、日程調整をお願いすると引き受けてもらいやすいでしょう。

また、どうしても訪問が難しい日時が決まっている場合は「なお、誠に勝手ではございますが、◯月△日は〜の都合で伺うことができないため、それ以外でお願いできれば幸いです。」のように記載すると親切です。

署名

文末には、自分の所属大学、学年、学部・学科、氏名、メールアドレスや電話番号などの連絡先を必ず記載しましょう。大学院出願時に限らず、署名をつけるのはメールを送る際の基本的なマナーです。事前に署名を設定しておけば、文末に自動でつけることができます。

大学院出願前に送るメールの文面例

続いて、実際の文面例をご紹介します。ここでは、指導希望の挨拶、教員訪問(研究室訪問)のアポイント取得、教員から来た返信メールへの返信の3パターンを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

指導希望の挨拶 文面例

件名:△△先生への指導希望につきまして【〇〇大学(所属大学)/□□(氏名)】

◇◇大学大学院 ◇◇研究科 ◇◇専攻
教授 △△ △△ 先生

突然のご連絡誠に失礼いたします。私は、〇〇大学〇〇学部〇〇学科の□□□□と申します。

現在私は〇〇先生の指導の下、〇〇の研究をしております。研究の中で〜〜に興味を抱きました。
その旨を〇〇先生に相談したところ、〇〇先生から△△先生を紹介していただきました。
改めて△△先生の研究内容を拝見し、先生の研究内容に強い興味関心を抱いております。

現在、大学院は◇◇大学大学院に進学し、△△先生のもとで研究をしたいと考えております。

そこでお伺いしたいのですが、私は大学院に進学し~~~~を研究テーマとして研究をしたいと考えており、△△先生の下でこのテーマについて指導いただくことは可能でしょうか。もしこの研究テーマに関して指導が可能ということでしたら、ぜひ一度、面会の機会をいただき、お話を伺いたいと考えております。

お忙しい中大変恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

****************************
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
(名前)
Mail:(メールアドレス)
Tel:(電話番号)
****************************

教員訪問(研究室訪問)にアポイントを取るメール 文面例

件名:面会のお願い【〇〇大学(所属大学)/□□(氏名)】

◇◇大学大学院 ◇◇研究科 ◇◇専攻
教授 △△ △△ 先生

突然のご連絡誠に失礼いたします。私は、〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇〇研究室の□□□□と申します。

この度は、先生に面会の機会をいただきたく、ご連絡を差し上げました。

現在、私は〇〇先生の下で〜〜の研究を行なっております。この研究を続けていくうちに〜〜という分野に関心を持ちました。
この分野について深く調べていくうちに、先生が研究なさっている〜〜に感銘を受け、私も〜〜の研究に携わりたいと考えるようになりました。
また、〇〇先生に相談したところ、△△先生を紹介していただきました。

つきましては、ぜひ一度、面会の機会をいただき、お話を伺わせていただきたく存じます。
ご多忙の中恐縮ですが、4月中でご都合のよろしい日時はございますでしょうか。

突然のご連絡なうえ、誠に勝手なお願いで恐れ入りますが、ご検討いただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

****************************
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
(名前)
Mail:(メールアドレス)
Tel:(電話番号)
****************************

教員への返信メール 文面例

件名:Re:Re:研究室訪問のお願い【〇〇大学(所属大学)/□□(氏名)】
◇◇大学大学院 ◇◇研究科 ◇◇専攻
教授 △△ △△ 先生

お世話になっております。〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇〇研究室の□□□□です。
この度は、ご多忙の中、お返事をいただきまして誠にありがとうございます。
また、お忙しい中でお話を伺える機会をいただけるとのこと、心よりお礼申し上げます。

それでは、下記日時にて~~へ伺います。

日時: 4月15日(月) 14:00〜

お話を伺えること、心より楽しみにしております。
当日はよろしくお願いいたします。
****************************
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
(名前)
Mail:(メールアドレス)
Tel:(電話番号)
****************************

メールを送る際の注意点

ここでは、メールを送る際に特に気を付けるべきポイントについて解説します。以下のポイントを押さえて、メールを送ることが重要です。

丁寧な言葉遣いを徹底する

丁寧な言葉遣い・熱意が伝わる内容のメールを送れば、ほとんどの場合、返事をもらうことができるでしょう。なお、メールを送る際には敬語の使い方にも注意する必要があります。正しいか不安な表現は、必ず調べてから使ってください。

志望理由を明確に伝える

他の教員に送るメールと同一の内容だと思われないよう、志望理由は明確に記載しましょう。指導教員の専門分野や研究業績などを事前に細かく調べたうえでメールを送ることが重要です。

また、研究に対する熱意が十分に伝わるよう、志望理由を事前に整理することが望ましいです。理由を長々と伝えても相手に読む手間をかけてしまうので、長すぎないよう簡潔にまとめましょう。

用件がすぐに伝わる分かりやすい文章を心がける

教員は忙しく、毎日大量のメールを受け取っています。そのことを念頭にメールを書きましょう。ひと目で内容を把握できるような分かりやすい件名を記し、本文は結論ファーストで書くことを心がけてください。

返信が来たらすぐに返信する

教員から返信が来たら、すぐにメールを返すことを心がけましょう。万が一返信が遅れてしまった時は「お返事が遅くなってしまい誠に申し訳ございません」と断りを入れることがマナーです。連絡が遅いのは、教員に限らず誰に対しても失礼にあたります。メールを送信した後は、受信状況に注意しましょう。

特に日程調整のメールの場合は、教員のスケジュールを確保するためにも、できるだけ速やかに返信することが大切です。

中央大学大学院への出願を検討されている方へ

中央大学大学院では、出願前に可能な限り連絡をとり、研究指導分野(希望する研究テーマで指導が受けられるか)を確認することを推奨しています。

各教員の連絡先(メールアドレス)は教員紹介に記載されているので、直接問い合わせてください。

「教員紹介(文系研究科)」はこちら
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/gradbun-teachingstaff/

まとめ

この記事では、大学院入試出願の際にメールを送るシチュエーションや注意点、文面例などを紹介しました。指導教員の選択は、大学院での研究生活を大きく左右する重要な選択です。自分のやりたいこととのミスマッチを防ぎ、充実した大学院生活になるよう、出願前にメールで教員とコミュニケーションを取ることが望ましいです。熱意が伝わる丁寧なメールを送れば、あなたの希望に教員も対応してくれることでしょう。

この記事を参考に、忙しい指導教員の目に留まり、伝えたいことが明確に伝わるようなメールを送ってください。

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