大学院進学

理系の大学院の選び方は?重要なポイントを解説

理系の大学院への進学を考えている方の中には、何を基準に大学院を選べば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。研究活動が学生生活の中心となる大学院では、研究環境が整っているかどうかで、大学院での生活と修了後の進路は大きく変わってきます。

この記事では、理系の大学院や研究室の選び方、修了後の進路について解説します。

理系の大学院の選び方

理系大学院を選ぶ上でどのポイントが重要かわからない人も多いでしょう。ここでは、大学院を選ぶ際に見るべきポイントについて詳しく解説します。

研究できる内容

同じ名称の研究科でも、大学院によって設置されている専攻や教員の研究分野は大きく異なります。自分が興味を持っている分野の研究ができるのか、できるとしたらどの専攻のどの研究室なのかを事前に調べておくことが重要です。

また、大学院によっては、特徴的なカリキュラムやプログラムが用意されている場合もあるので、理系の大学院を選ぶ際は、大学院のホームページやパンフレットを活用し、教員(研究室)の研究内容や大学院の特徴を確認しておくと良いでしょう。

進路状況

大学院や研究する内容によって修了後の進路は変わります。そのため、各大学院と研究科からどのような進路に進んでいるのかを調べておくことは大切です。

大学院によっては進路情報をホームページに公開しているため、事前に確認しておくと良いでしょう。また、入学前から修了後の進路について考えることや、進路について先輩の話を聞くなどして情報収集しておくことも大切です。

学費

進学する大学院によって学費に違いがあるため、事前に把握し、予算の範囲内に収まるか確認しておきましょう。学費は国公立の大学院は修士過程2年間で一律約135万円、私立の大学院はそれぞれ違いますが、各大学院・研究科の募集要項やホームページで確認できます。

大学院によっては奨学金を利用することで、金銭的負担を軽減できます。奨学金は各大学院が用意しているものに加え、日本学生支援機構(JASSO)や各種自治体が提供しています。利用できる奨学金は各大学院・研究科のホームページで確認できます。

奨学金については以下の記事で詳しく解説しています。

【参考URL】https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/06/05/1235474_012.pdf

理系大学院の研究室の選び方

理系大学院生の生活は、所属する研究室での研究活動が中心となります。そのため研究室選びは大学院を選ぶとても重要な要素です。そこで、ここでは研究室を選ぶポイントについて解説します。

研究内容を確認する

まず、自分が大学院進学後に研究したい分野を洗い出します。そして、その分野の研究をしている研究室の中から、より自分の興味関心と一致する研究室を見つけましょう。

研究室名だけで判断するのではなく、研究室のホームページ等を活用し、教員の研究内容や学生の研究活動の様子、研究成果を確認することが重要です。

研究室訪問ができる場合は、積極的に利用してみましょう。研究室の雰囲気を感じたり、研究設備を実際に見たりすることで、進学後の研究活動のイメージがより具体的になります。

学会発表の機会を確認する

大学院での研究活動には、自身の研究内容や成果を発表し、同じ分野の研究を行っている研究者たちと意見交換できる研究学会があります。修士課程(博士前期課程)の大学院生で学会に参加する機会もあり、自身の研究を深める良い機会になります。

研究室によって修士課程(博士前期課程)の学生が学会発表する機会の多さは異なります。発表機会が多いほど、自身の研究成果を発表し、フィードバックをもらうチャンスが多いと言えます。大学院や研究室のホームページでは、学生の学会発表件数や受賞報告を掲載している場合が多いため、修士課程(博士前期課程)の学生がどれくらい学会発表しているのか確認しておきましょう。

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理系大学院(修士課程/博士前期課程)修了後の進路

理系大学院(修士課程/博士前期課程)修了後の進路は、大きく分けて博士課程(博士後期課程)進学と、企業就職、公務員就職の3つに分けられます。理系大学院(修士課程/博士前期課程)修了後の進路と、そのための大学院選びのポイントを解説します。

博士課程進学

大学教員を目指す場合は、博士課程(博士後期課程)への進学を検討する必要があります。大学教員として学生に研究指導をするためには、高い専門性が求められるためです。そのため、博士学位の取得を採用の条件とする大学も多くあります。

企業就職

企業に就職する際も、自身の研究分野に関わる専門知識や研究成果を生かせる技術職や研究職といった理系就職を目指す場合は、より高度な専門知識や技術が求められるため、修士課程(博士前期課程)へ進学することをお勧めします。

企業によっては、技術職や研究職については修士課程(博士前期課程)修了以上に限定して募集するケースもあるので、事前に興味のある企業の募集を確認する必要もあるでしょう。興味のある職業に関係のある分野の研究を行っている大学院を調べておくと良いでしょう。

また、民間企業と共同研究を行っている教員もいるため、その研究室に所属し、学生時代から企業との研究に携わることで、就職活動に役立つ場合もあります。教員訪問の際には外部機関との研究について聞いてみても良いでしょう。

公務員就職

官公庁などに勤める公務員として就職する道もあります。

厚生労働省などには技術系区分と言われる職種があり、数理系や、理工系、化学系、農学系などの様々な研究科の学生が採用されています。採用後は特許審査や大学との共同開発、自然環境保護など様々な仕事に従事します。

地方公務員として就職する場合、地方公共団体でまちづくりや公共施設の整備に携わる他、行政職に従事したり、中高の教員となったりする場合もあります。

国・地方ともに自分の研究結果を活かす仕事に就くことが多いです。そのため、民間企業への就職を目指す場合と同様に興味のある分野を絞り込み、それに関係のある研究を行っている大学院を選ぶと良いでしょう。

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まとめ:理系の大学院選びは自分の興味や進路が大切になる

今回は、理系大学院や研究室の選び方、修了後の進路を紹介しました。

理系の大学院を選ぶには、自分の研究したい内容はもちろん、博士課程(博士後期課程)への進学や就職など、自分の進みたい進路を明確にすることが大切です。また、大学院生活は研究活動が中心となるため、研究室が重要なポイントになります。ホームページやパンフレットを活用し、研究室の研究内容や、学生の研究成果を確認し、自分が研究したい内容を絞り込むと良いでしょう。