研究・教育

文学(人文科学)研究とは?魅力や研究内容を紹介

大学院で研究できる文系分野の代表的な学問のひとつが文学です。文学は人文科学と呼ばれる分野に含まれる学問にあたります。大学院で文学に関する知見を深めたいと思いながらも、研究する魅力や意義、研究できる内容について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、文学を含む人文科学に関する代表的な研究内容や魅力、得られることを解説します。後半では、文学系の専攻を含む13の専攻を持つ中央大学大学院の文学研究科を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

人文科学研究のひとつ「文学研究」とは

文学研究とは、文学に触れるなかで作品が書かれた当時の社会・経済・文化的状況・人間の内面などを読み解く学問です。文学研究はただ作品を鑑賞して研究するというイメージがあるかもしれませんが、社会や歴史、人間の内面と密接に関与しています。ただ作品を楽しむだけで終わらず、さらに踏み込んで研究していくのが魅力です。

人文科学に関する代表的な研究内容

人文科学の研究分野はさまざまで、大学院によって異なります。ここでは、代表的な人文科学に関する研究内容を紹介します。

文学

文学には日本の文学である国文学をはじめ、英文学、独文学、仏文学、中国文学などが含まれます。国文学は上代から現代にいたる文学や芸能のジャンルを対象として研究し、ほかに日本語の文法や語彙、音韻なども研究可能です。

英文学をはじめとする外国語文学では、各言語で書かれた文学を研究します。いわゆる文学作品に限らず、詩・小説・演劇・文化・英語史・言語理論・第二言語習得など幅広い内容を研究するのが特徴です。

哲学

すべての学問の始まりであり、いまでも万学を支える土台と言えるのが哲学です。哲学では物事のあり方や原理を研究します。一口に哲学といっても幅広く、西洋哲学の古代ギリシア哲学や現代哲学、東洋思想の中国哲学や日本思想、さらには科学史・科学哲学などもあります。

史学

史学は、とある国や地域において残された物や建造物、文書から「過去に起こった物事がどのような意味を持っていたのか」を研究する学問です。日本史、東洋史、西洋史などがあります。

教育学

教育学では、教育の本質や方法や社会との関係性、発達などについて研究します。教育哲学、教育史学、教育社会学、教育心理学、教育方法学、社会教育学、芸術教育などが含まれます。

人文科学研究の魅力や得られること

人文科学研究には多様な研究が含まれますが、ここでは文学を例に紹介します。文学研究は、作品が書かれた当時の社会・経済・文化的状況を調べつつ、作品を通して時代のあり方や特徴を読み解くのが特徴です。「作家が社会をどう捉えていたのか」「社会が作品にどのような影響を与えたのか」を考察するなど、社会や時代と密接に結びついた学問です。

文学研究と聞くと、作品を鑑賞して研究するというイメージが強く、実用的でないと思う方も多いでしょう。しかし、文学を軸にそのときの時代背景を読み取ったり、社会の動きを想像したりすることで、想像力や感性など今後に活きるスキルを磨けます。定説に捉われない思考力を磨けるのも、文学研究ならではの魅力です。また、文章の内容を適切に理解する読解力も養われます。

他の学問分野についても、文学研究と同様にその対象を通じて人間の内面や社会、歴史を探究することで、深い教養と高度に発展した現代社会を生きる幅広い視座を得ることができます。

https://graduate.chuo-u.ac.jp/media/index.php/2022/04/28/graduate-school-social-science/

人文科学研究で拓けるキャリア

人文科学研究を深めることで拓けるキャリアは、以下の通りです。

  • 大学教員
  • 研究所の研究者
  • 公務員
  • 学芸員や心理職等の専門職
  • 中学・高等学校の教員
  • 民間企業での専門職

身につけた専門知識を活かし、大学や研究所などで研究職に就くことができます。中学・高等学校等の教員として学生を指導する道もあります。近年では、特に私立の中学・高等学校で採用にあたり大学院修了を求めるケースが増えています。

また、人文科学研究を通して論理的に考える力や情報収集能力が養われます。これらの大学院で身につけた力は、一般企業に就職する際にも評価されるでしょう。

このように、人文科学研究で身につけた高度な専門知識や技能を生かして多分野で活躍できます。

中央大学大学院の文学研究科

中央大学大学院の文学研究科には、以下の13専攻があります。

  1. 国文学
  2. 英文学
  3. 独文学
  4. 仏文学
  5. 中国言語文化
  6. 日本史学
  7. 東洋史学
  8. 西洋史学
  9. 哲学
  10. 社会学
  11. 社会情報学
  12. 教育学
  13. 心理学

中央大学大学院の文学研究科では、文学、史学、哲学、社会学、教育学、心理学といった多様な学術分野を学び究めることができます。これまでにも広い視野と高度な専門性を有した数多くの人材を育成し、世に送り出してきました。

修了後は、大学教員や研究所の研究者、高等学校の教員や公務員、また民間企業等において、大学院での専門知識を活かして活躍しています。

研究科や教員についてはこちらのページで詳しく紹介しています。

中央大学大学院文系研究科の研究支援

本研究科では、「大学院研究年報」をはじめ、専攻別の各種機関誌、研究発表会など研究発表の場を用意しているため、幅広い分野の研究に触れることができます。

また、文学研究科における他専攻の授業科目や、他研究科の授業科目も選択履修が可能です。広く深い専門知識を身につけられます。

さらに、他大学との活発な研究・教育交流も特徴です。文学研究科は国内の多数の大学院と単位互換協定を結んでおり、交流・協力校が履修を認めた授業科目を選択履修できます。

専攻(コース) 特色と研究内容についてはこちらのページで詳しく紹介しています。

中央大学大学院文系研究科の研究環境や設備

中央大学大学院では、文系研究科の大学院生に博士前期課程のうちから使用できる「学生研究室」が設けられており、研究や学修に専念できる環境を整えています。

学生研究室は1部屋を複数名で共同利用しますが、日常の研究スペースとして、机またはキャレルデスク、椅子、書架、ロッカーなどが備え付けられています。また、専攻ごとに関連資料、雑誌、書籍などの専門図書を多数所蔵する「共同研究室」を整備しているので、研究に向けた情報収集に役立てることが可能です。

まとめ:人文科学を研究する意義や魅力はさまざま

人文科学研究は実用的でないようなイメージを持つ方も多いが、想像力や感性をはじめ、論理的思考力や情報収集能力など幅広いスキルを磨けるのが魅力です。研究する意義や研究を深めたい内容をあらかじめ考えたうえで、進学を検討しましょう。

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