大学院進学

理系大学生は院進・就職どちらがよい?メリットを選び方とともに解説

理系の大学院への進学を検討している方の中には、就職か院進(大学院進学)かどちらが良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。

大学院に進学し自らの研究内容を深めるべきなのか、それとも学部を卒業してからすぐに働くべきなのか、どちらが自分のキャリアに合っているのか判断するには、それぞれの進路について理解を深める必要があります。

この記事では、理系の大学生にとっての大学院進学と就職のメリット、大学院に進学した後のキャリアや進路の選び方について解説します。

理系の大学院に進学して就職する4つのメリット

理系の大学生が大学院に進学することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは4つのメリットを解説します。

1.専門分野の高度な知識や技能を身につけられる

理系の大学院に進学すれば、日々の講義や研究室での実験・実習を通して、専門分野の高度な知識と技能を身につけられます。

知識を得て、技能を高めることで、就職できる企業が増えたり、就職後のキャリアパスが開けたりします。特に研究職は大学院での研究経験が必須条件に定められていることもあります。また、企業によっては修士号・博士号を取得していることを採用条件に定めている場合もあります。

2.研究者としてのキャリアを築ける

研究者として就職したい場合、大学院に進学することで研究者としてのキャリアを築けます。大学院で教員と共同研究したり、学会に参加したりする経験は自分の専門分野を究める上で貴重な経験となるでしょう。

また、研究職の採用において、大学や研究機関では修士号や博士号の取得を必須要件としていることが多いです。大学院進学は研究者としてのキャリアを築くには重要です。

3.問題解決力や情報収集力を高めることができる

大学院での研究活動では、専門分野の知識や技能だけではなく、問題解決力や情報収集力などを高めることもできます。自分でテーマを定めて、情報を収集して答えを導き出す力は社会人として活躍する上で重要なスキルです。

大学院では論文から必要な情報を精査したり、情報や実験結果から答えを導き出したりする過程で、そのスキルを高めることができます。

4.キャリアに役立つ人間関係を構築できる

大学院で研究に携わる過程で、学会の出席や教員からの紹介などを通して、専門分野の第一人者と知り合う機会が増えます。

そういった人間関係はキャリア形成において大きく役に立つでしょう。教員を通して企業や研究機関を紹介してもらう機会に恵まれる可能性もあります。

理系の大学院進学後のキャリア

理系の大学院に進学すると具体的にどのような企業に就職できるのでしょうか。ここでは3つの例を解説します。

研究職

研究職は大学や研究機関、企業等に所属し、新たな技術を生み出したり、試験を行ったりする職業です。研究内容には、数年先の実用化を目指し、研究材料を発見する「基礎研究」と、研究材料を具体的な製品に結びつける「応用研究」などがあり、自ら研究計画を策定、実行、成果を発表することが求められます。

大学に教員として就職した場合は、学生や若手研究者の指導や育成も業務内容に含まれます。

エンジニア

エンジニアは工学に関する専門的な技術を用いた製品、サービスの設計や開発を行う職業です。コンピューターのシステムやWebサービスの構築、家電や産業用機器の開発、データサイエンティストなど多数の分野があります。

学部卒でも就職可能ですが、大学院で学んだ技術や理論を用いることで、より高度な設計や開発ができるようになるでしょう。

コンサルタント

大学院で学んだ知識を元に、顧客企業の技術導入を推進するコンサルタントになるのもよいでしょう。コンサルタントは、専門分野に関する知識だけでなく、顧客企業の課題を見定める問題設定力、そのために必要な情報を選定する情報収集力、最適な技術を選定し、実行に移す問題解決力などのスキルが重要です。そういった面でも大学院での研究経験を活かせるでしょう。

学部卒で就職するメリット

次に学部卒で就職するメリットを解説します。

早期に実務経験を積むことができる

大学院に進学せずに就職すると、その分、早い段階で企業での実務経験を積めます。大学での活動と企業での実務にはさまざまな違いがあります。その違いを大学院に進学する学生より早くから経験できることは利点と言えるでしょう。

大学院では研究で成果を出すこと、文献の内容を理解することなど、学術的な視点が重要です。一方、企業では「自分の行動が企業にとってどれだけの利益を生むか」といったビジネス的な視点が大事です。

利益を生むためには研究成果を出すことよりも、既存の成果物をどう現場に適用させるのかなど、知識や技術を活かして働くことが大事になることも多いです。そのようなビジネス的な能力や考え方は、実務経験を経て身につけられます。

知識を実社会で活用できる

企業に就職すれば、大学で学んだ知識や、身につけた技能を実社会の問題に適用できます。研究に携わる大学院と違い、企業では研究の成果を個々の顧客や組織が活用できるようにしたり、サービスの導入を支援したりするなど、より実際の利用機会に近い視点からアプローチできます。

また研究開発や導入支援だけでなく、営業やマーケティングなどよりビジネス的な領域に触れられるのも魅力です。

経済的に自立できる

親や奨学金等の学生支援制度に頼らずに自ら収入を得て、経済的に自立できることも学部卒で就職するメリットの一つです。収入を得ることで自立心や責任感を高められる他、留学に行ったり、起業の準備をしたりするなど、キャリアの可能性を広げることもできるでしょう。

大学卒業後の進路を決めるために重要なこと

大学院に進学するか就職するかは人生の中でもとても重要な選択です。ここでは、進路を決めるために重要なことを3つ解説します。

就活と研究室訪問を行う

まずは実際に就活と研究室訪問を行い、企業と大学院の両方に触れてみましょう。実際に訪問することで自分が興味を持てる分野を見つけたり、先輩に話を聞いたりでき、進路が明確になります。

企業の採用活動は3年生の春~秋にはじまり、4年生の春~夏に内定が出ることが多いです。大学院入試の時期は大学院により異なりますが、入試に向けては半年~1年程度の準備が必要です。早い段階から計画を立てて準備しましょう。

大学卒業後のキャリアパスを練る

大学を卒業した後に、どのようなキャリアを歩みたいのかを考えてみましょう。思い描くキャリアによっては就職や業務の遂行において、大学院での研究経験や高度な専門知識が必須の場合もあれば、逆に早い段階で企業経験を積んだほうが良い場合もあります。

キャリアパスを練るには、自身の研究内容や興味のある分野、熱心に取り組んだこと、得意なことを考えた上で、どの仕事がマッチするのかを調べてみるとよいでしょう。また、1人で考えるのではなく、大学の教員や友人に相談したり、キャリアカウンセリングを受けたりすると、新しい気づきが得られるでしょう。

インターンに参加する

企業は営業やマーケティング、エンジニアなど、様々な職種で学生インターンを実施しています。実際に働いてみて、興味のある職種や業界について理解を深めたり、自分に合っているかを確認したりするとよいでしょう。

また、インターンで実際に働くことを通して、自身のキャリア観がより明確になるでしょう。経済産業省の調査からは、「期間が長いインターンシップの経験者ほど、社会人などとの交流の機会の増加や、自らのキャリア観(生き方)が明確になったと感じている割合が高い」という調査結果が出ています。考えたり話を聞いたりするだけでなく、実際に働いてる人と触れることで、自らのキャリアについてわかることも多いでしょう。

まとめ:キャリアを設計してから理系の大学院に進むか就職するかを決めよう

大学院進学と就職はそれぞれにメリットがあるため、しっかりとキャリアを設計し、自分がどちらの道を進むべきか判断することが大事になります。キャリアを設計するためには自らの興味関心やこれまでの経験を振り返り、実際に大学院へ進学した人から話を聞くことや、企業・自治体等で働く人々に触れ、インターンに参加して実務経験を積むことなどが重要です。

どちらに進みたいか判断できないという場合は、大学院進学と就職どちらの道にも進めるように準備しておくとよいでしょう。大学院入試の対策とインターンや就活など就職の準備に取り組む中で、自分に合った道を決めましょう。