受験準備

大学院の推薦入試の流れ|他大学から推薦入試で受験できる?

大学院の入試方式の1つに推薦入試があります。筆答試験(筆記試験)が課されず書類審査と口述試験(面接試験)で受けられることも多い入試方式です。しかし、推薦入試のメリットや、推薦入試を受ける方法がわからない方もいるでしょう。

本記事では、推薦入試の概要と進め方、メリット、受験時の注意点を解説します。

大学院の推薦入試とは

大学院の推薦入試とは、学部在学中の成績などを中心に選考する入試方式です。学内選考入試、特別選考入試などとも呼称されます。

推薦入試では、多くの場合、筆答試験は課されず、学業成績による評価や研究計画書等の出願書類、口述試験の評価をもとに選考されます。そのため、進学の意欲や研究に対する熱意を伝えることが重要です。

推薦入試では在学中の大学の教員に推薦書を書いてもらう必要がある場合があります。推薦書では学業成績や研究能力・適性などについて述べられ、人物評価(人柄)などにも言及されます。推薦入試は、学術的な能力だけでなく、人間性や社会性も加味される入試方式だと言えるでしょう。

推薦入試の実施の有無は、大学院や研究科により異なります。

中央大学大学院では、早期に大学院進学の進路を決定したい学部在学生などに向け、学業成績等を主な資料とする書類審査と口述試験による特別選考入学試験を実施しています。研究科により異なりますが、4月(夏季)、9~10月頃(秋季)、1~2月頃(春季)に実施しています。

他大学の大学院を推薦入試で受験できる

推薦入試は在学中の大学だけではなく、他大学の大学院でも受験可能な場合があります。他大学の大学院への進学は、在学する大学の大学院にはない研究科に進学したり、興味のある分野の教員の研究室に入れたりするなど、さまざまなメリットがあります。

他大学の大学院に進学するメリットや進学前にすべきことは、こちらの記事を参考にしてください。

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大学院推薦入試のメリット

この項目では、大学院を推薦入試で受験するメリットを2つ挙げて説明します。

  • 学部での学業の成果を活かせる
  • 大学院入試の対策時間を進学準備や研究活動に充てられる

学部での成果を直接活かせる

推薦入試は学部での学業成績や活動が考慮されます。そのため、学部在学中に得られた成果や経験を活かせることがメリットです。

例えば、学部在学中に参加した研究プロジェクトやインターンシップ、あるいはゼミでの活動実績などは、推薦入試の選考過程で評価されるでしょう。これらの経験は、入学希望者が専門分野における実践的なスキルを持つことや、チームワークやリーダーシップを発揮できることを示す証拠となり得るからです。

大学院入試の対策時間を進学準備や研究活動に充てられる

大学院の一般入試では、筆答試験があるため受験勉強が必要ですが、筆答試験がない推薦入試を受験し、早期に進学という進路決定ができた場合には、筆答試験の対策に充てる必要があった時間を大学院入学後を見据えた学習や研究活動に充てることができます。

先行して自分の研究テーマをより深く掘り下げ研究に取り組むことは、大学院での研究を充実させることにもつながるでしょう。

また、自分の研究計画や将来のキャリアプランについて、より深く考える時間にも充てられます。推薦入試に向けて志願票や研究計画書を作成する過程で、自分自身の学術的な関心やキャリアにおける目標を明確にしましょう。

大学院の推薦入試の流れ

一般的な大学院の推薦入試の流れを紹介します。

  1. 成績基準(出願資格)
  2. 出願書類提出
  3. 口述試験

1.成績基準

大学院の推薦入試では、出願資格として成績基準が設定されていることがほとんどです。学部での成績について、出願時に所定のGPAの基準をクリアしている必要があります。計画的に履修し、期末試験において優良な成績を残していくことが求められます。

場合によっては、出願前に、入学後に指導を希望する教員に受験の許可を求めておく必要があったり、あるいは、研究希望テーマについて指導を受けることが可能か確認しておくことが求められたりすることもあります。出願に先立ち、希望する教員・研究室を訪問しておくとよいでしょう。

教員・研究室訪問の進め方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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2.出願書類提出

受験にあたっては、入学検定料を納入し、願書などの出願書類一式を提出します。事前に出願期間をよく確認して、必要書類に不備がないよう準備しておきましょう。研究計画書などの提出書類は選考における評価の対象となりますので、早いうちから準備を始めることが重要です。

3.口述試験

出願が受理されると、口述試験が行われます。

口述試験では、卒業論文・卒業研究の構想やゼミナール研究等で取り組んでいる研究について、目的及び結果についてプレゼンテーションを行うことが求められたり、大学院進学後にどのように研究を進めていきたいと考えているか尋ねられたりします。研究分野における基礎知識やプレゼンテーションの内容について、教員から問われた際に適切な返答ができるよう、準備しておきましょう。

また、人物像や適性、研究意欲などを見きわめられるため、研究活動で頑張ったこと、研究を通じて成し遂げたいこと、大学院を志望する理由や目的などを明確にしておきましょう。

大学院入試における面接での質問や評価のポイントは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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大学院推薦入試の注意点

Notes on recommendation entrance exams続いて大学院推薦入試の注意点を解説します。

  • 口述試験の評価の割合が大きい
  • 出願書類の提出期限を確かめる
  • 成績に注意する

口述試験の評価の割合が大きい

大学院の推薦入試において筆答試験の実施がない場合、選考における口述試験の比重が大きくなります。口述試験では、研究やキャリアに関する思考の深さとコミュニケーション能力が重要です。

口述試験では、自分の研究テーマや研究計画に関する明確な説明ができるように準備するとよいでしょう。また、自分の研究が直面する可能性のある課題や問題点についても考え、それらにどのように対処するか、その大学院に入学することでどのように乗り切れるかなどをまとめておくと、質問への対処がしやすくなります。

また、口述試験の対策として​​、模擬面接を行うことも有効です。教員や先輩などに協力してもらい、実際の口述試験に近い環境で質問に答える練習をすることで、回答の質を高められます。

出願書類の提出期限に注意する

推薦入試では出願期間が一般入試と異なる場合が多いです。特に内部進学希望者に出願を限定している場合には、年度の早い時期などに入試が実施される場合があります。締切日に間に合わないと出願ができなくなるので、その日までに必要な書類を準備することが重要です。

各大学院の入学試験要項(募集要項)をできるだけ早く読み、必要な書類の一覧、書類の形式、提出締切日を正確に把握しましょう。また、推薦書については、推薦者に十分な準備時間を確保して依頼し、締切日前に提出できるように計画を立てることが重要です。

成績に注意する

多くの大学院では、推薦入試を受ける際に一定以上の成績を修めていることを求められます。成績が一定基準を満たすことは、自身の専門分野への理解と日々の学習姿勢の証明となります。したがって、在学中に優れた学業成績を維持することは極めて重要です。

成績要件は各大学院の推薦入試の入試要項に記載されているので、満たしているか確認した上で応募しましょう。

まとめ:推薦入試を利用して、研究活動に注力しよう

大学院の推薦入試では、学部での学業成績・研究成果を活かせること、筆答試験に向けた勉強時間を研究や課外活動に充てられることが大きなメリットです。より質の高い研究成果を生み出せれば、大学院での学習に大いに役立つでしょう。

中央大学大学院の入学試験要項はこちらのページで確認できます。出願書類等もダウンロードできます。
https://www.chuo-u.ac.jp/admission/gschool/exam/