大学院への進学をしたいと考えている方の中には、どのように選んでいいか分からないという人も多いのではないでしょうか。
大学院選びは、在学中の学習・研究や大学院を修了した後のキャリアパスに大きな影響を及ぼすので、慎重におこなう必要があります。
この記事では、自分に合った大学院に進学するために何をすべきか解説します。候補になる大学院を絞り込むポイントについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
大学院の種類
日本の大学院は、一般的な大学院と専門職大学院に大別されます。そこで、ここでは自分の進学すべき大学院はどちららなのか明確になるよう、両者の違いについて解説します。
一般的な大学院
一般的な大学院は、研究活動に取り組む高い研究能力、その基礎となる専門的な知識を養うための大学院です。修士課程(博士前期課程)、博士課程(博士後期課程)に分かれ、修了後には、企業に就職する者もいれば、研究者を目指す者もいます。
一般的な大学院に進学した者は、学部教育で身につけた知識をさらに深めていき、研究者をめざして特定の分野を研究していきます。そのため、研究者を志望するのであれば一般的な大学院への進学を検討するとよいでしょう。
また、研究を通して得られた知識や能力を元に公的機関や民間企業で働きたいという場合も一般的な大学院への進学を検討するとよいでしょう。ただし、特定の実務に役立つ実践的な教育を受けたいという場合には、次に説明する専門職大学院への進学が進学先の候補になります。
専門職大学院
専門職大学院は、グローバル化に伴う社会的・国際的に活躍できる職業人養成へのニーズの高まりに対応するため、専門的な知識・能力を備えた実務家を養成するための大学院です。専門職大学院では、実際の現場で活躍している実務家や教員からより実践的な指導を受けることを重視しています。
例えば、専門職大学院の1つである法科大学院は、弁護士や裁判官といった法務に従事する者の養成に特化しています。法科大学院を修了すれば、司法試験の受験資格を取得することができます。
その他にも、専門職大学院には次のような種類があります。
- 法科大学院
- 会計大学院
- MBA大学院
- MOT大学院
- 教職大学院
法曹(弁護士・裁判官・検察官)、会計士など、就きたい職業が明確に決まっている場合には専門職大学院への進学が選択肢の一つとなります。
大学院の種類と進学するメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、是非参考にしてみてください。
https://graduate.chuo-u.ac.jp/media/index.php/2022/04/28/graduate-school-merit/
大学院の選び方
大学院を選ぶ際には、何に着目すればいいのか分からない人も少なくないでしょう。ここでは大学院を選ぶ際に見るべきポイントについて詳しく解説します。
何を研究できるかを調べておく
カリキュラムは大学院によって特色や強みがあり、研究内容は大きく異なります。また、履修できる科目も大学院ごとに違いもあります。そのため、大学院を選ぶ際には「何を研究できるのか」「どんな科目を履修できるのか」を確認するとよいでしょう。そのうえで、自身の研究が深められそうな大学院、研究科を選ぶのが重要となります。
指導を受ける教員を確認する
大学院には様々な教員が在籍しており、同じ研究科に属していても研究分野は異なります。そのため、どの教員から指導を受けるかによって自身の研究が左右されることになります。研究を深めるためには、なるべく自分自身が希望する研究分野に近い教員が在籍している大学院を選ぶことが重要です。
そのためには、教員がどのような研究を行っているか、あるいは指導している学生がどのような研究を行っているかを事前に調べておくことが重要です。教員のプロフィールは、各大学院のホームページで確認できます。教員の著書・論文や担当科目、指導学生の研究テーマなどをみて、自身の研究希望のテーマに合う教員を見つけるとよいでしょう。
また、大学院(あるいは教員)によっては教員訪問(研究室訪問)の機会を設けていることもあります。教員の研究内容をより詳しく知る機会ですので、可能であれば面会の機会をいただきましょう。訪問の際には、教員の人柄や研究室の雰囲気などが自身に合うのか考えてみるとよいでしょう。
ただし、必ずしも訪問を受けてもらえるとは限りません。オンラインでの面談やメールでのやり取りだけでもお願いし、自身が希望する研究テーマについて指導が受けられそうか確認は取っておきましょう。
学費を調べておく
大学院の学費は、進学する大学院によって差があります。修了までに総額いくらになるかを事前に把握し、予算の範囲内に収まるかを確認するのが望ましいでしょう。学費は、進学を希望する大学院・研究科の募集要項やホームページで確認することができます。
大学院によっては給付の奨学金制度や学費の減免制度があります。学費にかかる経済的負担を軽減し、様々な大学院への進学を視野に入れることに繋がります。そのため、奨学金制度や学費減免制度が利用できるかも事前に確認しておくとよいでしょう。
なお、下記の記事では中央大学大学院が利用できる奨学金について紹介していますので、参考にしてみてください。
入試方式を調べておく
大学院入試には様々な方式があり、受験資格は異なります。また、試験日や出願期間、試験科目にも違いがあります。そのため、まずは自身に受験資格があるかを事前に確認しておくことが重要です。また、学部時代に培った知識や研究内容が活かせるなど、自分にあった入試方式を選ぶとよいでしょう。
入試方式については、各大学院のホームページなどで公開されている募集要項に詳しく掲載されています。また、進学説明会が開催されることもあるので、機会があれば参加を検討するのもよいでしょう。
大学院修了後の進路
大学院修了後のキャリアパスは、博士課程(博士後期課程)に進学するか、公的機関や民間企業へ就職をするかの2通りがあります。自分が将来どのような分野に進んでいきたいのかを考えることが、候補となった大学院を絞り込んでいくうえで、重要となります。
ここでは大学院修了後の進路について詳しく解説します。
博士課程(博士後期課程)に進学する
大学教員や研究職に就くには、博士課程(博士後期課程)への進学が求められる場合が多いです。博士号を取得して修了した後は、大学・研究施設で働き研究業績や教歴を積みながら、大学教員や研究職を目指していくことになります。
研究職に就きたいと考えるのであれば、自身の研究をより深く追究できる分野の研究科を視野に入れるとよいでしょう。また、修士課程(博士前期課程)以上に、より自身の研究と近い分野の指導教員を見つける必要があります。
公的機関や民間企業へ就職する
大学院修了後は、在籍期間中に身に付けた専門知識を活かして、公的機関や民間企業に就職することも選択肢の一つです。一部の専門職では修士以上の学歴(学位)が求められる場合があり、学部卒では採用していない職種に就くことができます。
就職を考える場合、将来就きたい職業に近い分野の研究が行える大学院を中心に検討を進めるとよいでしょう。また、就きたい職業が明確に定まっている場合、専門職大学院への進学も選択肢となります。
例えば、臨床心理士を目指す場合は臨床心理系大学院、教職を目指すのなら教職大学院への進学も視野に入ります。
まとめ:修了後のキャリアパスを想定した大学院を選ぼう
今回は、大学院の種類や選び方、修了後の進路を紹介しました。
大学院を選ぶためには、大学院修了後のキャリアパスを念頭に置き、進学する目的を明確にする必要があります。そのうえで、研究できる内容や在籍している教員について把握し、進学する大学院の候補を絞り込むことが重要となります。
今回紹介したポイントを情報収集するには、時間も労力も多くかかります。候補の大学院を絞り込むための時間を確保するためにも、できる限り早めに着手していきましょう。
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